越川 健一郎
株式会社ナゴヤキャッスル
代表取締役社長
新聞記者から名門ホテルのトップに!
創業60周年を迎えたウェスティンナゴヤキャッスルを率いる
異色のリーダーの素顔とは…。
私の趣味…というか日課は「言葉拾い」。毎朝6紙読んでいる新聞記事や好きな詩人の作品の中から、心に響いた言葉を書き留めておくんです。人には、「知性」「徳性」「体性」「感性」という4つの性があって、知性つまり学習意欲というのはいくつになっても衰えないんだそうですよ。徳性…人柄も基本的にはあまり変わらない。体性…身体的な機能については年齢とともに衰えるのが自然だし、自覚もありますよね。最も気をつけなければいけないのが感性で、18歳頃をピークにどんどん鈍くなっていくそうです。そのことに気づかなくなってしまう、というのも感性のやっかいなところ。鈍っていく感性を維持するのにいい方法が詩を読むことだと教わって、実践しています。大好きな詩人・茨木のり子の有名な作品に「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」という一節がありますが、自分も新聞記者として長年言葉を扱ってきた物書きの端くれとして、言葉によって自分の感性を守り、生き続けたいなと…。毎朝、好きな詩を音読することは心身のバロメーターにもなりますしね。「喉が痛いな。昨日、歌い過ぎたな…」とか(笑)。
かつて高倉健さんにインタビューしたことがあります。その時の健さんの言葉にも感銘を受けました。「自分自身がお天道様に恥じない生き方をできるかどうかが、すべての役に表れてしまう」と。人が見ていないところでもズルをせず、手を抜かず、どれだけ愚直に物事に取り組めるかということですよね。ホテルのおもてなしも同じです。例えば、朝、家族とケンカをしてきて機嫌の悪い状態のまま作り笑いで「いらっしゃいませ」と言っても、それは嘘ですよね。自分の心身を普段からどうコントロールするかが大事。僕にとってのコントロール法が言葉拾いであり、詩を読むことなんです。でも、何も立派な教訓めいた言葉が好きなわけじゃないんですよ。かつて世界最長寿でいらした泉重千代さんの言葉も大好き。好きな女性のタイプを訊かれて「年上の人」とおっしゃったんです(笑)。いいでしょ?そういう感性。
これは、古典の閑吟集の中の言葉。「人生は流星のごときわずかな夢物語。一心不乱に没入できることをひとつでいいから見つけなさい」という意味です。私はホテルというまったく未知だった環境で働き始めて4年目を迎えますが、人生における二度目の夢物語を仲間と共に一心不乱に築きたいと思うんです。そしてナゴヤキャッスルを「すべてのお客様に黄金の夢を届けられる、輝きの世界一のホテル」にしたい。これが私の夢です。
毎日新聞社で記者としてキャリアを積んできた私が、ホテルという未経験の分野で社長を任されることになった…。赴任当時は帯状疱疹になってしまったほどで、こんな自分でも一応ストレスを感じるんだなと思いました(笑)。ただ、記者時代の初任地が岐阜支局で次に一宮、名古屋と、この地方にはトータルで7年間住んでいたこともあり、親しみはありました。名古屋を中心にした東海エリアは豊かですよね。産業が盛んだし、首都圏と比べれば地価が安く持ち家率は高い、交通インフラが充実していて街は暮らしやすい。だから、名古屋の人たちはおっとりして穏やかな印象があります。2020年の東京オリンピック、2027年リニア中央新幹線開業で、名古屋もますます活気づくはずです。名古屋の街の魅力を、次世代の若い人たちにもどんどん発信していきたいですね。
ホテルの語源は「旅人・客・宿主」を意味する“hospes”。ここから派生して生まれた言葉が「手厚いもてなし」を意味する形容詞“hospitalis”です。つまり、お客様の長旅の疲れを癒すのがホテルの役割。そしてもうひとつ重要なのが、街づくりの一端を担う存在であることだと思います。名古屋で創業し、名古屋のお客様に愛され育てていただいたナゴヤキャッスルには、名古屋という街における役割があります。それを果たすために何をするのか、一人ひとりが常に自分で考える。私も含めキャッスルの仲間みんながそんな意識で行動できる集団でありたいと思っています。
社長になって、一見華やかなホテルのバックヤードの動きを知ることができたのは、とても新鮮でした。ウェスティンナゴヤキャッスルには、3,000人の立食パーティーに対応できる中京圏最大級のバンケット「天守の間」があります。そこでお客様にご満足いただけるサービスをご提供するためには、細部にまで気を配りながら何日も前から綿密に準備をするんです。その過程を垣間見たことで、「おもてなし」を支えるのはスタッフ一人ひとりの愚直な働きとチームワークなんだと実感しました。だから私は社員のことを「仲間」と呼びます。「従業員」というのは「社業に従わせる」としか私には読めない。ホテルのおもてなしは、みんなで作り上げる共同作業なんです。エントランスのドアパーソンがお客様をお迎えしてからお見送りするまでの全行程に関わるスタッフのチームプレーで、その方の寛ぎを生みだすわけですから。誰ひとり欠けてもナゴヤキャッスルのおもてなしは成り立たない。“All for One. One for All”のラグビー精神で、これからもチームプレーを極めていきたいと思っています。
ナゴヤキャッスル創業60周年を記念して、8/14(金)創業の地である名古屋駅前になるミッドランド スクエア4階に「バロン ザ ステーキ」がオープン。“男爵のステーキ"という店名通り、上質なステーキを格調高い雰囲気のもとで楽しんでいただけるワンランク上のステーキレストランです。「感じる」「魅せる」「極める」の全てにこだわった料理とサービスを、オープンキッチンやバーカウンターでライブ感たっぷりにご提供いたします。
■ 住所:名古屋市中村区名駅4-7-1ミッドランドスクエア 商業棟4F
■ TEL:052-589-0808(8月1日開通)
■ 営業時間:
ランチ11:00~15:00(L.O.14:30)
ディナー17:00~23:00(料理L.O. 21:30 飲み物L.O. 22:00)
■ 予約:可 ※個室要予約(1室利用12名まで、個室料3,000円)
■ URL:http://www.baron-steak.com
会社名 株式会社ナゴヤキャッスル
URL こちら
代表取締役社長 越川 健一郎
設立年月日 1955年8月17日
資本金 9億円
業務内容
1.ホテル、飲食店ならびに結婚式場の経営
2.パン、ケーキの製造および販売
3.出張料理サービス
4.フィットネスクラブの経営
5.その他
〒451-8551
名古屋市西区樋の口町3番19号
TEL 052-521-2121(代表)
「会社の顔を創る会社」月と六ペンスが会社の顔にインタビューする
FMラジオ番組「社長のサムズアップライフ」!!
毎回、さまざまな業界のトップをお招きし、
土曜の朝に”日常のちょっとイイ話”をお届けしたい!という思いを込め、お送りしております。