スマイルミュージックアカデミー主宰　桜井　ゆう子 -社長のサムズアップライフ

桜井　ゆう子

スマイルミュージックアカデミー主宰
演出家・振付師・脚本家

ミュージカル女優としての経験を
後進の育成、オリジナル作品づくりに生かす
ショービズパーソンの手腕と素顔。

作・振付・演出、自ら動いてミュージカル作品をつくる。

スマイルミュージカルアカデミーは、子どもから大人まで幅広い層を対象にダンス・歌・芝居を基礎から指導するスクールです。クラシックバレエやジャズダンス、声楽を基本に置いたミュージカルナンバーの歌唱、台詞の発声法など、ミュージカルに必要なさまざまな要素を取り入れたレッスンを行っています。18年前、「こどもミュージカル教室」として立ち上げた当初は、自らスタジオに立ち、子どもたちに一から指導していました。スタッフが充実した現在では、私は作品づくりに専念しています。まず台本を作り、それをもとに作曲家に曲を作ってもらいます。そして振付・演出を行って舞台作品として仕上げるんです。なぜ自分で手がけるかというと、お金がなかったから（笑）。すべてプロフェッショナルにオーダーできれば簡単ですが、それができるほどの資金力がない。でも作品づくりで妥協はできない。そうすると、自分が動くしかありません。初めての発表会は衣装もすべて手作り。男性スタッフがミシンがけしているのを見かねて生徒のお母さんが手伝ってくれたり、お父さんたちは大道具を担当してくれたり…。みんなの手で20年近く作り続けてきました。今では、振付師、作曲家、編曲家、オーケストラ演奏と、それぞれの専門家に依頼できるようになり、作品もレベルアップしてきました。とても幸せな作品づくりができていると思います。

苦手な人にこそ知って欲しい、ミュージカルの本質。

2015年の作品「白雪THEミュージカル」
脚本：桜井ゆう子

ミュージカルはよくわからない、好きじゃない、という方もいらっしゃると思います。よく、テレビでタモリさんもおっしゃっていますよね。「なぜ唐突に歌って踊るんだ？」って（笑）。でも、人って楽しいときは、つい鼻歌を歌ったり、ワクワクすると足踏みをしたりするでしょ？心が動いたときに体から自然に出てしまう表現を少しだけオーバーにしたものがミュージカルだと思うんです。そんな心の動きを大切にした作品をいつも作りたいと思っています。だから毎回、題材探しにはこだわります。今、自分が一番気になっているもの、私の心が動くものを皆さんにお届けしたいから。

この秋、ベル・エポックを象徴するフランスの大女優をモチーフにしたオリジナルミュージカルに挑戦！

今年は、秋に大人の楽団員を中心にしたオリジナルミュージカルの公演を予定しています。モチーフは、1800年代半ばから1900年代初頭にかけて活躍したフランスの女優、サラ・ベルナール。彼女が生きたのは、美術様式がアール・ヌーヴォーからアール・デコへと変わっていく中で、さまざまな芸術家が活躍した時代。激動のフランスベル・エポックを象徴する女優が、当時、世界中に発信していたことを、今度は日本の中部地方から発信できたらと思っています。テーマは、信じた道を進んでいくことの素晴らしさ。サラは60歳を過ぎて舞台で怪我をしたのが原因で足を切断するという不幸に見舞われますが、その後も義足をつけて舞台に出続けます。「世界中で待っている人のために、私は行動するんだ」という強い意志が、そうさせたのでしょう。70歳を越えても現役で活躍していた女優が、今から100年以上前にも存在していたんです。素晴らしいですよね。高齢社会が進む中、「みんなも頑張ろうよ」という気持ちも込めて、このテーマに取り組みたいと思っているんです。私も生涯、ミュージカルに関わっていくつもりです。

桜井さんのサムズアップ：「人生は舞台だ」

舞台はテレビとは違い、観客の皆さんが自ら選んでわざわざ劇場まで足を運んで観に来てくださるものです。そんな方たちに、私なりのメッセージを届けたいといつも思っています。例えば「戦争反対」と言葉で訴えるのではなく、戦争に翻弄された人々の物語を演じることで、その意志をメッセージする。それが私たちの仕事です。もちろん、幸せのカタチや生きることの楽しさを伝えることも…。私たちのミュージカルをご覧になった方が思わずスキップしながら帰るとか、耳にしたフレーズを口ずさみながら帰るとか…そんなことを提供できたら幸せだし、それが私の人生だと思っています。

アンティークのアクセサリーに込められた物語に惹かれる。

職人のこだわりが感じられるモノが好きです。そのモノを見れば、こだわりを持って作られたものか、やっつけ仕事なのか、すぐにわかります。だから、アンティークのアクセサリーが好き。200年ぐらい前の職人がひとつひとつこだわって作ったものを、誰かが大切に使い、それが次の誰かの手に渡り…そんな、モノに込められた物語を想像するのが楽しいんです。

フルート演奏で子どもたちと共演。

趣味はフルートの演奏。始めて1年ぐらいですが、毎日練習しています。歌やダンスを教えるときも、私のモットーは基本を大事にすること。基礎のない個性は邪道だと思います。子どもたちに口を酸っぱくしてそう言っていますから、私も真面目に練習しています。日々、忙しくしていますから、夜中にしか吹けないのが悩みの種ですが…（笑）。